アナフィラキシーって?対応などをガイドラインから徹底解説

女医わかこ
今日はどうされましたか?コバヤシさん(仮)

コバヤシ(仮)

パリッとスーツを着て彼女との待ち合わせの駅へ、暑かったのでぼくは上着を脱いで片手に持っていました。しばらくデートを楽しんだ後、休憩でベンチへ座ることになり、座ってスーツの上着は脇へ置きました。ウダウダとジュースを飲んだり、会話を楽しんでたりしてイチャイチャイチャイチャしばらくしていたら夕方になり、上着を着ることにしました。上着に袖を通し、さて決まった、と思ったらいきなり左肩に激痛が!デッカい注射を打ったときのような激痛が!

「イッターーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!」

叫んだぼくが半狂乱になり見てみると、スーツの内側からデッカいスズメバチがゴソゴソ出てきてそのまま飛び去っていってめちゃくちゃ腫れているんです。

コバろぐより一部改変

女医わかこ
天罰ですね。(にっこり)

で、今日は虫さされが気になってこられたのですか?

コバヤシ(仮)
それも有るんですが蜂に刺されたら2回目が怖いとよく効くので心配になってきました。

女医わかこ
アナフィラキシーの話ですね。
コバヤシ(仮)
アナフィラキシー?

アナフィラキシーの定義

アナフィラキシーとは、「アレルゲン等の侵入により、複数臓器に全身性にアレルギー症状が惹起され、生命に危機を与え得る過敏反応」と定義されます。さらに、「アナフィラキシーに血圧低下や意識障害を伴う場合」はアナフィラキシーショックと定義されます。

女医わかこ
アナフィラキシーは一言で言うと命に関わるやばいアレルギーの事です。

アナフィラキシーの診断基準

アナフィラキシーの診断基準は、大きく3つに分けられます。

  1. 全身の皮膚症状に呼吸器・循環器症状の少なくとも一つを伴うもの。
  2. アレルゲン曝露の後に急速に発現する皮膚・呼吸器・循環器・持続する消化器症状のうち2つ以上を認めるもの。
  3. 当該患者にとって既知のアレルゲン曝露の後に急激に発症する血圧低下。

皮膚症状はアレルギー以外の機序で発症することがきわめてまれなため、アレルゲン曝露が証明されない状況であっても診断できる点がポイントです。逆に、消化器症状はアナフィラキシ以外にも鑑別を要する他の疾患もあるため、ここに含まれません。 アナフィラキシーは、こうした臨床所見によって診断は比較的容易ですが、急激にショック状態を呈する不整脈や心筋梗塞、急性蕁麻疹の原因となるヒスタミン中毒など、鑑別すべきいくつかの疾患があります。

女医わかこ
アナフィラキシーは蕁麻疹のほかに息苦しさ、血圧低下などを合併します。

アナフィラキシーのバイオマーカー

アナフィラキシーの病態を反映するバイオマー カーには、血中の総トリプターゼやヒスタミン値があげられます。しかし、いずれも研究レベルでしか測定できず、重篤な場合でないと上昇が認められないことがあるので、臨床診断には用いられません。

女医わかこ
アナフィラキシーは血液検査病態のマーカーはありません。

児童のアナフィラキシーの有病率

日本全国の児童生徒(小・中・高校生)を対象とした文部科学省の調査(2013年)によれば、アナフィラキシーのリスクのある児童生徒は 0.5%、アドレナリン自己注射薬を所持している者が0.3%存在します。

女医わかこ
アナフィラキシーショックは200人に1人くらいの頻度です。

アナフィラキシーの内訳

人口動態統計によれば、2001~2013年におけるアナフィラキシーショックによる死亡者数は平均で毎年59人、そのうち25人が医薬品、20人がハチ刺傷を原因としています。食物による死亡者数は毎年2~5人です。発生機序と誘因は、WAOガイドラインに準拠して4つに分類されます(表2)。その多くはIgEが関与する免疫学的機序によりますが、IgEが関与しない免疫学的機序、あるいは免疫学的機序が証明されないものも含みます。

女医わかこ
コバヤシさん(仮)が気にされている蜂に刺されて亡くなる人は年間で20人です。

医薬品では何が多い?

医薬品では、抗菌薬、解熱鎮痛薬、抗腫瘍薬、 局所麻酔薬、筋弛緩薬、造影剤、輸血等、生物学的製剤、アレルゲン免疫療法などが代表的な誘因となります。抗菌薬ではペニシリン系・セフェム系が代表的で、発症頻度は国内の使用頻度を反映しています。抗腫瘍薬では白金製剤、造影剤も使用頻度を反映して非イオン性造影剤が中心です。 血液製剤では使用頻度に比しても血小板製剤が多く、次いで血漿製剤が原因となります。 手術関連では筋弛緩剤が最も多く、ラテックスも代表的な原因となります。ただし、筋弛緩剤は皮内テストの擬陽性が出やすく、そこに隠れた抗菌薬アナフィラキシーを見落とさない注意も必要です。

女医わかこ
どんな薬品でも原因となりえます。

どんな蜂があぶないの?

昆虫ではハチ刺傷が中心です。アシナガバチ、 スズメバチ、ミツバチでそれぞれ異なるアレルゲン性をもっています。職業的に頻繁にハチに刺される人のなかで発生率が高いのですが、なかには2~3回目の刺傷で発症することもあります。特異的免疫療法が可能ですが、国内で承認された薬剤がないために、一部の医療機関でアレルギー協会を通した自己輸入で試行されているのが現状です。俗に言われているアンモニアは実は無効です。ハチ刺傷の既往あり、再刺傷経験した場合、ナフィラキシーショックを呈する可能性は約 3~12%とされています。 ハチアレルギー患者が再刺傷を経験した場合、約 50-60%の患者は前症状より症状悪化します。 しかし、その後 10 年以上蜂に刺されなければアナフィラキシーの頻度は25%まで減少します。 逆に短期間に繰り返し刺されるとアナフィラキシーを発症しやすいとされています。

女医わかこ
ハチ刺傷の既往あり、再刺傷経験した場合、ナフィラキシーショックを呈する可能性は約 3~12%とされています。

食物では何があぶない

小児では鶏卵、牛乳、小麦が多く、ピーナッツがしだいに増えています。成人では甲殻類やエビが多く、そのなかには普段は発症しませんが、食後の運動後に急激にアレルゲンが吸収されるため発症する食物依存性運動誘発アナフィラキシーが多く含まれます。アナフィラキシーを抑制するために抗原特異的な経口免疫療法が行われていますが、その治療自体がアナフィラキシーを誘発する最大の原因となっている現実もあります。 アナフィラキシーの症状は、診断基準にあるように皮膚・粘膜、呼吸器、消化器、心血管系、中枢神経系に及びます。なかでも皮膚・粘膜症状はアナフィラキシー患者の80~90%に認められます。しかし、皮膚・粘膜症状は、呼吸器症状よりも遅れて出現することもあります。 症状および徴候のパターンは患者により異なり、同一患者でもアナフィラキシーの発症ごとに差異が認められます。二相性アナフィラキシーは成人の最大23%、小児の最大11%に認められるという報告があります。

女医わかこ
食物は年齢により特徴があります。また、皮膚症状が出る前に呼吸器症状が出るなど個人差が大きいです。

アナフィラキシーショックの人を見た時の初期対応

女医わかこ
致死的な反応において、呼吸停止または心停止までの中央値は、薬物5分、ハチ15分、食物30 分と報告されていますが、予測は困難です。 気管支喘息の合併は、アナフィラキシーによる死亡例で高率に認められます。

初期対応の手順は

  1. バイタルサインの確認
  2. 助けを呼ぶ
  3. アドレナリンの筋肉注射
  4. 患者を仰臥位にする
  5. 酸素投与
  6. 静脈ルートの確保
  7. 肺蘇生
  8. バイタル測定

となります。

女医わかこ
これは医療従事者向きです。まずは、助けを呼んで、足を上げて血圧を維持するようにしてあげましょう。

アナフィラキシーの第一選択はアドレナリン

ガイドラインにおいて医療従事者に最も強調したいことは、「アナフィラキシーの初期対応において用いる薬物としてアドレナリンの筋注が第一選択薬である」というメッセージです。体重当たり0.01mg(最高0.5mg)を、大腿部に筋肉注射します。皮下注射は血中濃度の上昇が遅いため、アナフィラキシー時の投与法として推奨されていません。 アドレナリンは、aおよびb受容体を介して、心拍出量の増加、血管収縮による血圧上昇、気管支拡張作用と抗浮腫作用による気道症状の軽減など、すべてのアナフィラキシー症状を数分以内に抑制する働きをします。しかし、その作用は15~20分で消失します。 続いて、十分な酸素投与と、循環血液量を保つために静脈確保をして生理食塩水を5~10mL/kg、5~10分間で急速静注します。その後、症状の改善が不十分であれば、アドレナリンの再投与、または静脈投与を行います。 それでも血圧が維持できない場合には、カテコラミン(ドパミン、ドブタミン、ノルアドレナリンなど)、あるいはグルカゴンやアトロピンの併用を考慮します。重篤な呼吸障害を認める場合には、気管内挿管を行って呼吸管理に入ります。

女医わかこ
救急車が来るまでの応急処置としてエピペンというものもあります。

抗ヒスタミン薬は、症状の一部である搔痒感や蕁麻疹には有効ですが、呼吸器症状を含む危険な症状を改善させる効果はありません。b2アドレナリン受容体刺激薬は、軽度の喘鳴などの下気道症状には有効ですが、上気道閉塞などの症状には無効です。グルココルチコイドは作用発現に数時間を要し、二相性アナフィラキシーを予防する可能性はありますが、その効果は立証されていません。

女医わかこ
ステロイドが有効とよくインターネットに書かれていますがあまり実際は使いません。

自分で打てるアドレナリン自己注射薬エピペンって?

エピペンはアドレナリン自己注射薬で病院外で発生したアナフィラキシーに対応するために処方されます。体重15~30kgには0.15mg、体重30kg以上では0.3mg製剤が適応となります。エピペンを処方するためには医師は講習を受ける必要があり、どこでも処方できるものではありません。使用方法は難しいものではありませんが、緊急時に迷わず使用できるためには、処方時の詳しい指導と、繰り返し手技を練習することが必要です。ま、使用期限も1年と短く、お値段も5000円以上します。なので、小麦などなかなか除去しきれない食物や、林業の方などハイリスクの方がよく使用されます。使用後は、救急車などを利用してすみやかに医療機関を受診します。使用例では80%以上で症状の改善が認められますが、約20%のケースでは医療機関における追加治療が必要となります。使用に伴う有害事象も報告されますが、ほぼすべてがアドレナリンの作用や注射に起因するものであり、短時間で回復しています。 日本小児アレルギー学会では、処方を受けた患者・保護者や、教職員などの関係者が、アナフィラキシー出現時にアドレナリン自己注射薬を使用する症状の目安を示しています。

女医わかこ
エピペンは有効ですが、お値段、消費期限などがシビアで処方できる医療機関も限られています。

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